地球上には、様々な生態系が存在し、これらの生態系に支えられた多様な生物が存在しています。全世界の既知の総種数は約175万種で、このうち、哺乳類は約6,000種、鳥類は約9,000種、昆虫は約95万種、維管束植物(草や木)は約27万種となっています。まだ知られていない生物も含めた地球上の総種数は大体500万〜3,000万種とも言われています。
これらの生物の種の中には、人間の活動によって絶滅の危機に瀕しているものがあり、哺乳類、鳥類、両生類の種のおよそ10〜30%に絶滅のおそれがあるとされています。森林の減少、外来種による生態系の喪失やかく乱、生物資源の過剰な利用などがその原因です。例えば、世界の陸地面積の約3割を占める森林は、熱帯林を中心に減少が止まりません。また、地球の表面の約70%を占める海洋でも、例えば藻場やサンゴの減少を招いており、20世紀末の数十年間で、世界のサンゴ礁の約20%が失われ、さらに20%が劣化しています。また、世界における水産物の需要は伸びている一方、海の水産資源の4分の1の魚種は、乱獲により著しく枯渇していると考えられています。特に食物連鎖の上位に位置する魚(マグロ、タラなど魚食の大型魚)の漁獲量が減少しており、海洋の生物多様性の低下が指摘されています。
生物多様性は、気候変動に対して特に脆弱であり、地球全体の平均気温の上昇が1.5〜2.5℃を超えた場合、動植物種の約20〜30%は絶滅リスクが高まる可能性が高く、4℃以上の上昇に達した場合は、40%以上の種の絶滅につながると予測されています。 |
我が国には、知られているだけで9万種以上、分類されていないものも含めると30万種を超える生物がいると推定されています。狭い国土面積にもかかわらず、たくさんの種類の生物がいます。他の地域には見られない「固有種」の比率が高いことも特徴で、陸にすむ哺乳類の約4割、両生類の約8割が固有種です。
また、国土の3分の2を森林が占め、先進国で唯一野生のサルが生息していることをはじめ、クマやシカなど数多くの中大型哺乳類が生息する豊かな生態系を有しています。
しかしながら、沿岸の埋め立てや都市的土地利用への転換面積は減っておらず、実に、は虫類、両生類、汽水・淡水魚類の3割強、哺乳類、維管束植物(草や木)の2割強、鳥類の1割強の種に絶滅のおそれがあります。
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